
Microsoftと医療分野の情報共有組織Health-ISACは、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)、およびResecurity、Cloudflare、Oracle、Proofpoint、TRM Labsなど複数の民間企業とともに、3種類の「フィッシングキット」を無力化したと発表しました。対象となったのは、CoGUI(NXやFAとも呼ばれる)、Haozi(Phoenixとも呼ばれる)、Iron Man Systemの3つで、あわせて10億通を超える詐欺メッセージに関わっていたとされています。
「フィッシングキット」とは、本物そっくりの偽サイトや、メール・SMSを大量に送るための仕組みをひとまとめにした「詐欺の道具箱」のようなものです。専門知識がない犯罪者でも、キットを手に入れれば短時間で詐欺サイトを用意できてしまうため、詐欺の裾野を広げる原因になっています。今回の対応は、個々の詐欺サイトを1つずつ閉鎖するのではなく、こうした道具そのものを使えなくした点に意味があります。
フィッシング詐欺は、システムの欠陥(セキュリティホール)を突くのではなく、人の心理を突いてIDやパスワード、カード情報を入力させる手口です。そのため、ソフトを最新にしているだけでは防ぎきれません。
日本のJC3が加わっていることからも、日本の利用者が無関係ではないことがうかがえます。ただし、1つの取り組みで詐欺が根絶されるわけではなく、別のキットや新しい手口がすぐに登場する可能性があります。
利用者側の対策としては、メールやSMSのリンクから直接ログインしない、公式アプリやブックマークからアクセスする、パスキーや多要素認証を有効にする、といった基本が引き続き有効です。
出典: The Hacker News「Microsoft Disrupts 3 Phishing Kits Linked to Over 1 Billion Scam Messages」