
NASA、遠赤外線宇宙望遠鏡「PRIMA」を新型探査機クラス第1号に選定 2033年打ち上げへ
米航空宇宙局(NASA)は現地時間2026年9月24日、宇宙の進化の歴史を遠赤外線で探る新たな宇宙望遠鏡計画「PRIMA(PRobe far-Infrared Mission for Astrophysics)」を、次の開発段階である「フェーズB」へ進めると発表した。PRIMAは、NASAの「エクスプローラー計画」に新設された中規模ミッション区分「プローブ・エクスプローラー」の第1号に位置づけられており、2033年の打ち上げを目指して開発が進められる。
PRIMAが搭載するのは、直径1.8メートル(5.9フィート)の主鏡を持つ望遠鏡だ。狙うのは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測波長域からはほぼ外れ、地上の電波望遠鏡でも届かない「遠赤外線」と呼ばれる波長帯で、この隙間を埋めることで、JWSTと電波観測網の橋渡し役を担う。深く感度の高いサーベイ観測を通じて、塵に隠された星や惑星の誕生、ブラックホールの成長過程、さらには地球の水の起源にまで迫ることを目指すという。
開発はNASAジェット推進研究所(JPL)が主導し、ゴダード宇宙飛行センターやマーシャル宇宙飛行センターに加え、カナダ、フランス、ドイツ、日本、韓国、英国の各宇宙機関が協力する国際プロジェクトとなる。計画が承認された場合、打ち上げ費用などを除いたプロジェクト総額の上限は12億ドル(日本円で約1800億円)に設定されており、5年間の運用を計画しているという。今回のフェーズB移行はあくまで通過点で、技術面・予算面の審査を経て、実際の機体製造に入る「フェーズC」への移行可否が改めて判断される見通しだ。
NASAの宇宙望遠鏡をめぐっては、2026年8月に打ち上げられたナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡が主力カメラの起動を終えたばかりで、JWST、ローマン、そして将来のPRIMAが波長帯や役割を分担しながら宇宙観測網を形づくっていく構想が着実に進みつつある。PRIMAが実際にどのような姿で完成するのか、今後の設計の詳細が注目される。
出典: NASA JPL「NASA Selects Far-Infrared Telescope as First in New Mission Class」(2026年9月24日)