米航空宇宙局(NASA)は2026年9月18日、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同運用するX線天文衛星「XRISM(クリズム)」の観測により、中性子星(パルサー)が連星をなす巨星から吹き出す恒星風を直接捕らえている様子を、これまでで最も明確にとらえたと発表した。観測対象となったのは、大質量X線連星系に属するパルサー「GX 301-2」だ。
XRISMに搭載された精密X線分光装置「Resolve」を用いた解析により、伴星から流れ出したガスがパルサーに向かって秒速およそ150キロメートル(時速にしておよそ54万キロメートル)という猛烈な速度で降着していく様子が確認された。この激しい降着が、GX 301-2でこれまで繰り返し観測されてきた強力なX線フレアの直接的な原動力になっているとみられる。コンパクト天体へ落下する恒星風プラズマの動きがこれほど明確にとらえられたのは今回が初めてだという。
XRISMをめぐっては、りゅう座方向のクエーサー「H1821+643」から噴き出す想定を大きく上回る強力なブラックホール風を検出した先の研究成果も報告されたばかりで、銀河規模の超大質量ブラックホールから恒星サイズのパルサーまで、Resolveの高精度分光観測がコンパクト天体まわりのガスの動きを次々と解き明かしつつある。
研究チームは今後もXRISMによる観測を継続し、GX 301-2のような大質量X線連星における降着メカニズムのさらに詳細な解明を進めていく方針だという。
出典: NASA Science「XRISM Sees Pulsar Gathering Companion’s Wind」(2026年9月18日)