国際研究チームは2026年9月、中国主導の宇宙望遠鏡「アインシュタイン・プローブ(Einstein Probe)」が2025年7月に検出した謎のX線閃光について、2つの中性子星が合体し、強力な磁場を持つ天体「マグネター」が誕生した瞬間をとらえた証拠である可能性が高いとする研究成果を発表した。成果は学術誌「Science Bulletin」に掲載された。
この天体現象は「GRB 250704B / EP250704a」と呼ばれ、2025年7月4日にガンマ線バーストとして検出された。ガンマ線バースト自体の継続時間はわずか0.37秒ほどだったが、アインシュタイン・プローブの広視野X線望遠鏡はその後も断続的にX線放射をとらえ続け、最終的な放射継続時間はおよそ10分間に達した。これは中性子星合体に伴う「即時X線放射」としては過去最長の記録だという。観測データはさらに3つの段階に分かれており、最初の鋭いスパイク、数秒間続く尾部、そしてその後に現れる540秒間にも及ぶ長く緩やかなX線の高まりという構造が確認された。
研究チームが特に注目しているのが、この3段階目の長時間にわたるX線放射だ。ガンマ線の放射が収まった後も観測されるこの成分は、合体後に形成された中心天体――おそらくは「マグネター」と呼ばれる、通常の中性子星よりもはるかに強い磁場を持つ天体――が、周囲にエネルギーを供給し続けていることを示す兆候だと考えられている。後続の光学・電波観測によって、この現象の発生源が地球からの赤方偏移z=0.661に相当する、はるか遠方の銀河であることも特定された。
中性子星同士の合体は、重力波観測でも知られる現象だが、電磁波で合体直後の中心天体の性質を直接探る手段は限られていた。今回のように、長時間続くX線放射が合体由来のガンマ線バーストに付随する形で観測されたことは、今後同様の「長く尾を引く」X線放射が、中性子星合体や重力波源に対応する電磁波シグナルとして一般的に存在する可能性を示唆している。研究チームは今後、アインシュタイン・プローブによる観測網を活用し、同様の現象をさらに検出することで、マグネター誕生のプロセスや中性子星合体の多様性について理解を深めていく方針だ。
出典: ScienceDaily「A record-breaking X-ray flash may reveal the birth of a magnetar」(2026年9月30日)