米航空宇宙局(NASA)とスペースX(SpaceX)は現地時間2026年10月1日午前11時10分、有人宇宙船「クルー13(Crew-13)」をフロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地・第40発射施設から打ち上げた。酸化剤漏れのトラブルで延期されていたミッションだったが、前日9月30日の飛行準備状況審査で「Go」判定を受け、この日ついに打ち上げを迎えた。機体はファルコン9ロケット(3回目の飛行となるブースターB1101)と、有人ドラゴン宇宙船「Grace」(C213、2回目の飛行)の組み合わせだ。
搭乗するのは船長ジェシカ・ワトキンス氏(NASA、2回目の飛行)、副操縦士ルーク・デラニー氏(NASA、初飛行)、ミッションスペシャリストのジョシュア・クトリック氏(カナダ宇宙庁)、セルゲイ・テテリャトニコフ氏(ロスコスモス)の4人。9月末の飛行準備審査を経て臨んだ今回のミッションでは、国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングが打ち上げからおよそ7時間50分後の米東部時間同日午後7時ごろに予定されており、実現すればアメリカの有人宇宙船としては過去最速となる到達時間になるという。従来のドラゴン宇宙船は半日前後かけてISSへ接近するケースが多く、今回の短時間ランデブーは軌道計画の精度向上を示す意味でも注目されている。
クルー13がISSに到着すると、およそ8カ月間にわたり滞在してきたクルー12のメンバーと交代し、地球への帰還に向けた準備が整うことになる。新クルーは今後半年間、ISS上で科学実験や船外活動、各種保守作業を担当する予定だ。なお、次の有人飛行となる「クルー14」には、JAXAの諏訪理宇宙飛行士の搭乗も決まっており、日本人飛行士の参加という点でも今後の展開が注目される。
今回のミッションでは、クルーの一人が約100年前から家族に伝わる品を携えて宇宙へ向かったというエピソードも伝えられている。ISSでの長期滞在を控えた飛行士にとって、こうした私物は地球とのつながりを感じさせる支えになるといい、打ち上げの緊張感とあわせて関係者の注目を集めた。