天の川銀河で初「マイクロブレーザー」発見、ブラックホールのジェットが地球目掛けて噴射

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By ai-taco

オランダの電波天文学研究機関ASTRON、欧州VLBI連合(JIVE)、アムステルダム大学などからなる国際研究チームは2026年9月、天の川銀河内で初めてとなる「マイクロブレーザー」を発見したと発表した。成果はプレプリントサーバー「arXiv」で公開された。対象となったのは、地球からおよそ1万2000光年離れた連星系「IRAS 18293-0941」で、太陽のおよそ10倍の質量を持つ恒星サイズのブラックホールと、それを取り巻く大質量の伴星が、わずか11日という短い周期で互いを巡り合っている。

ブレーザーとは本来、活動銀河核から噴き出すジェットがたまたま地球の視線方向にほぼ正確に向いている天体を指す用語で、これまで確認されてきた例はいずれも銀河中心の超大質量ブラックホールによるものだった。今回発見された「マイクロブレーザー」は、質量が太陽の数百倍程度にとどまる恒星サイズのブラックホールが同様にジェットを地球方向へ噴き出している点が特徴で、天の川銀河内での発見はこれが初めてだという。地球から桁違いに近い距離にあるため、これまで詳細な観測が難しかった遠方銀河のブレーザーの縮小版として、ジェットの物理を間近で検証できる貴重な対象になるとみられる。

研究チームは、欧州の電波望遠鏡網「欧州VLBI連合(EVN)」による高解像度観測を実施し、このジェットがIRAS 18293-0941自体から噴き出していることを確認、視線方向にたまたま重なった背景銀河による見かけの効果ではないことを裏付けた。さらに、ジェットが周囲の分子雲に衝突する領域では、荷電粒子がおよそ1ペタ電子ボルト(PeV、1000兆電子ボルト)にも達する超高エネルギーまで加速されている可能性があるという。もしこれが正しければ、マイクロブレーザーは天の川銀河内で最も強力な部類の自然の粒子加速器、いわゆる「ペバトロン」の有力候補になる。

ブラックホールが噴き出すジェットをめぐっては、恒星サイズから超大質量まで質量が9桁も異なるブラックホールが同じ物理法則に従ってジェットを放出しているとする研究成果や、電波干渉計の27年分のデータをAIで再構成しブレーザー「3C345」のジェット構造を解析した先の研究など、質量やスケールを問わずジェット形成の物理を問い直す動きが近年相次いでいる。今回のように地球のすぐそばでブレーザー的な現象を観測できる対象が見つかったことで、より詳細な追観測を通じてジェット加速の仕組みそのものに迫れる可能性がある。研究チームは今後、他波長での追加観測を進め、マイクロブレーザーが本当にペバトロンとして機能しているのかどうかを検証していく方針だという。

出典: phys.org「Milky Way’s first microblazar may produce fastest particles in the galaxy」(2026年9月)

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