
チリ・ディエゴ・ポルタレス大学の博士課程学生アンドレア・ベルナルディ氏らの国際研究チームが、木星の2〜4倍程度の質量を持つ巨大ガス惑星「エリアス2-24b」について、誕生からまだ100万年に満たない、これまでに確認された系外惑星の中で最も若い天体であることを確認したと発表した。成果は2026年9月中旬に発表され、若い巨大惑星が形成される瞬間をとらえた貴重な観測例として注目されている。
エリアス2-24bは、地球からおよそ450光年離れた、誕生したばかりの若い恒星「エリアス2-24」を周回している。研究チームは、米ハワイのW・M・ケック天文台に設置された、NASAとの協力協定のもとで運用されるコロナグラフを用いて、主星の強い光を遮ることで周囲の塵の円盤や惑星をあぶり出す手法により、7つの恒星を対象にした2018年・2020年のアーカイブ観測データを精査した。その結果、エリアス2-24を取り巻く円盤の中に、ぽっかりと開いた隙間に埋め込まれるように存在するこの巨大惑星の姿が浮かび上がったという。
エリアス2-24bは、主星からおよそ55天文単位(地球と太陽の距離の55倍)も離れた軌道を周回しているにもかかわらず、誕生からまだ100万年足らずしか経っていない。円盤からのガスやちりが今なお惑星へ降り積もっている様子も確認されており、これは巨大惑星が円盤内に隙間を開けながら物質を取り込んで成長するという、有力とされる「円盤不安定・降着」理論を支持する観測結果だ。一方で、主星からこれほど離れた位置でこれほど短期間に巨大惑星が形成されたこと自体は、従来の惑星形成理論にとっても想定を超えるペースであり、巨大惑星がどれほど早く、どれほど遠方で生まれうるのかという問いに新たな手がかりを投げかけている。
NASAの解説によると、この天体の存在自体は10年ほど前から疑われていた。チリのアルマ望遠鏡が円盤の隙間を見つけ、続いて欧州南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡(VLT)がその隙間の中にかすかな光点をとらえていたが、惑星形成の理論ではこれほど早い時期に、これほど主星から離れた場所に隙間ができるのは早すぎるとされ、正体をめぐって議論が続いていた。研究チームはケック天文台のアーカイブから2018年と2020年の観測で同じ光点を見つけ出し、その動きをつなぎ合わせて解析した。その結果、光点は画像のノイズや背景の星ではなく惑星らしい動きをしていると確かめられた。共著者のルーカス・シエサ教授は、これまでの記録保持者(PDS 70とWISPIT 2を回る計4個の惑星)はいずれも誕生から500万年以上たっているが、それでさえ既存のモデルでは説明が難しかったと述べ、今回の発見は最良のモデルにもまだ欠けている過程があることを示していると指摘している。現在のモデルでは、太陽と木星ほどの距離で木星サイズの惑星ができるまでに約500万年かかるとされている。
系外惑星を主星の光に埋もれさせずに直接とらえるコロナグラフによる観測は、今後さらに重要性を増す見通しだ。2026年8月に打ち上げられたローマン宇宙望遠鏡でも系外惑星の直接撮影を目指すコロナグラフ観測装置が起動しており、今回のようなケック天文台のアーカイブデータ再解析と合わせ、若い惑星系の姿をより鮮明に描き出す研究が加速しつつある。研究チームは今後、同様の手法で他の若い恒星系についても再解析を進め、エリアス2-24bのような「誕生中」の巨大惑星をさらに発見できるか検証していく方針だという。
出典: NASA Science「Newfound ‘Baby’ Planet Smashes Record for Youngest Known World」(2026年9月)
1 thought on “誕生からわずか100万年、史上最年少の木星型系外惑星「エリアス2-24b」を発見”