南アフリカの電波望遠鏡群「MeerKAT(ミーアキャット)」を用いた国際研究チームが、およそ40億~50億年前の宇宙に存在した中性水素ガスからの微弱な電波信号を直接検出したと発表した。研究には英マンチェスター大学と南アフリカ・ウェスタンケープ大学の研究者らが参加している。
チームは「水素強度マッピング(hydrogen intensity mapping)」と呼ばれる手法を用い、約96時間分の観測データを解析した。個々の銀河を一つ一つ分解して観測するのではなく、広い天域に広がる水素ガスからの電波を面的に捉えることで、赤方偏移z≈0.32およびz≈0.44、つまり宇宙年齢が現在より数十億年若かった時代の信号を浮き上がらせた。
検出された水素ガスの分布は、天の川銀河とアンドロメダ銀河の間の距離に匹敵する、数百万光年規模の大規模構造を捉えているという。この結果は、個々の銀河を一つずつ検出するよりもはるかに効率的に宇宙の大規模構造を地図化できる可能性を示すものとして注目されている。
研究成果は米天文学誌「The Astrophysical Journal Letters」に掲載された。研究チームは今後、MeerKATによる観測データをさらに拡充し、水素強度マッピングの手法を宇宙のより広い範囲・より古い時代に適用していく計画だとしている。