超巨大ブラックホールが噴き出す強力なジェットが電波銀河を形作るが、そのジェットが停止した後、銀河はどのように「余生」を過ごすのか。国際研究チームがXMM-LSSディープフィールド領域内で14個の「残骸電波銀河」候補を対象に、144メガヘルツから1.5ギガヘルツにわたる電波観測データを用いた詳細な解析を行い、その手がかりを明らかにした。
解析の結果、14天体のうち12個が本物の残骸電波銀河であることが確認された。さらに、これらのスペクトル年代はわずか約800万年から4200万年程度と、これまで想定されていたよりもかなり若いことが判明した。これは、ジェット停止後に電波ローブが薄れて見えなくなるまでの「フェード期」が、従来考えられていたよりも短く、かつ変化に富んだ過程であることを示唆している。
ジェットが止まった後も、電波ローブ自体はしばらく進化を続ける。広がった構造を持つ天体では、プラズマの移動と整合的な、系統だった年代勾配が見られた一方、よりコンパクトな残骸では、周囲の環境や磁場構造の影響とみられる不規則な年代変化のパターンが確認された。
今回の発見は、超巨大ブラックホールがジェット活動をオン・オフする「デューティサイクル」や、電波銀河が誕生から消滅まで辿る全過程を理解する上で重要な一歩になるという。淡く若い残骸銀河をこうして捉えられたこと自体が、観測技術の進歩を物語っている。
出典: EurekAlert!「Dying radio galaxies reveal a shorter, more dynamic afterlife of black hole jets」、ScienceDaily(2026年9月1日)