NASA/ESAのハッブル宇宙望遠鏡が、天の川銀河の伴銀河である大マゼラン雲(LMC)の中にある星雲「LHA 120-N44」、通称N44の見事な姿を捉えた。かじき座の方向に位置するこの天体は、Space.comの「今日の宇宙写真」として2026年9月4日に紹介された。
N44の画像には大きく分けて二つの特徴が写し出されている。一つは中心部に広がる巨大な空洞、いわゆる「スーパーバブル」で、その大きさは約210光年×140光年にも及ぶ。もう一つは、その空洞を取り囲むように広がる、塵とガスが密集した殻状の構造だ。
このスーパーバブルを作り出したのは、空洞の中心にきらめく若く大質量の星団だ。これらの星々が放つ強力な恒星風と、寿命を迎えた星が起こす超新星爆発によって、誕生時にまとっていたガスの大部分が周囲へ吹き飛ばされた。吹き飛ばされたガスは圧縮されて空洞を取り巻く殻となり、現在観測されているような構造が形成されたと考えられている。
N44のようなスーパーバブルは、大質量星団が周囲の星間物質にどのような影響(フィードバック)を及ぼし、次世代の星形成や銀河内のガスの構造を左右するのかを研究する上で貴重な観測対象となっている。地球から比較的近い大マゼラン雲は、こうした恒星進化の過程を詳細に観測できる格好の実験場だ。
出典: Space.com「Hubble Telescope sees spectacular ‘superbubble’ | Space photo of the day for Sept. 4, 2026」