太陽表面に幅20キロの極小プラズマ渦を発見、コロナ加熱の謎に迫る手がかりに

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By ai-taco

米国立太陽天文台(NSO)やドイツ・マックスプランク太陽系研究所などによる国際研究チームが、ハワイ・マウイ島にある世界最大の太陽望遠鏡「ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡(DKIST)」の観測データと数値シミュレーションを組み合わせ、太陽表面にわずか幅20キロメートルほどの極めて微小なプラズマの渦を多数発見したと発表した。デイビッド・クリゼ氏らが主導した成果は、2026年8月5日付の学術誌「Nature」に掲載されている。

太陽表面(光球)は、内部から上昇してきた高温プラズマが対流によって形作る、幅500〜2000キロメートル程度の粒状斑(グラニュール)で覆われていることが知られている。今回、研究チームがこの粒状斑の境界付近で磁場が特に強い領域を詳細に観測したところ、これまでの望遠鏡では分解できなかったはるかに小さいスケールで、列状に並ぶ渦や細い筋状の構造が浮かび上がった。渦の大きさは25〜170キロメートル程度で、隣り合う渦同士の典型的な間隔はおよそ65キロメートル。観測領域内だけで47個もの渦が確認されたという。

研究チームによれば、これらの渦を生み出しているのは「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性」と呼ばれる現象だ。速度の異なる2つの流体が接触する境界面で生じるこの不安定性は、海面で波頭が巻き上がる仕組みや、木星の縞模様の雲がうねる様子を生み出す物理過程と同じものだという。太陽表面でも同様の不安定性が磁場を伴うプラズマの間で常に発生し続けていることが、今回初めて直接観測によって裏付けられた形だ。

この極小の渦は、太陽表面の磁力線をねじり上げ、磁化したプラズマとそうでないプラズマを効率よくかき混ぜる働きを持つとみられている。太陽物理学では、表面温度が約6000度である太陽の光球よりも、その外側に広がるコロナの方がなぜ100万度以上もの高温になるのか、長年「コロナ加熱問題」として議論が続いてきた。研究チームは、こうした微小な渦が磁気エネルギーを効率的に大気上層へ運ぶ仕組みの一端を担っている可能性があるとしており、太陽フレアの発生メカニズムや、太陽の活動が約11年周期で変化する仕組みの理解にもつながることが期待される。

出典: ScienceDaily「The sun is covered in tiny whirlpools we’ve never seen before」(2026年8月7日)

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