2024年5月の巨大太陽嵐、「侵入不可能な壁」の内側で電子を加速 JAXAの「あらせ」が観測、名古屋大

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By ai-taco

名古屋大学の三好由純教授らの研究チームは、2024年5月の巨大な太陽嵐のとき、地球の放射線帯にある「侵入不可能な壁」の内側で、高エネルギーの電子が局所的に加速されていたことを、JAXAの放射線観測衛星「あらせ」(ERG)のデータから示しました。論文は米国地球物理学連合の専門誌「Geophysical Research Letters」に掲載されています。

「侵入不可能な壁」は2014年に見つかった境界で、地球中心から約3地球半径の位置にあり、ヴァン・アレン帯(地球を取り巻く放射線帯)の外側の帯の内縁付近にあたります。これまで、この壁より内側には、エネルギーの高い電子はほとんど入り込めないと考えられてきました。

研究チームは、あらせの複数回の軌道で得たデータから、電子の「位相空間密度」を地球からの距離ごとに調べました。すると壁の付近に、時間とともに強まる局所的なピークが現れていました。これは、電子が外側から運ばれてきたのではなく、その場で加速された証拠だとされています。記事によると、エネルギーが3 MeV(メガ電子ボルト)を超える電子が確認されました。

原因として挙げられているのが、「コーラス波」と呼ばれる電磁波です。コーラス波は電子のらせん運動と共鳴して、電子にエネルギーを与えることがあります。あらせは、この嵐の間に強いコーラス波も検出しました。

さらに、嵐によってプラズマ圏(地球の近くにあるプラズマの領域)の外縁が地球寄りに後退し、壁の周辺のプラズマ密度が下がりました。その結果、高温の電子が内側まで届き、コーラス波を生み出せるようになったとされています。通常は約2日で回復するプラズマ圏の密度が、今回の嵐の後は、観測領域で嵐前の半分以上に戻るまで約4.3〜4.7日かかりました。

この嵐では、北海道や兵庫県でもオーロラが見えたことが記事で触れられています。放射線帯の電子は人工衛星の故障の原因にもなるため、こうした変化の仕組みを理解することは、宇宙天気の予測にもつながります。

出典: Phys.org(名古屋大学の発表に基づく)「2024 solar storm triggered ultrarelativistic electrons inside Earth's 'impenetrable barrier'」(2026年10月28日)

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