デンマークのコペンハーゲン大学のWilliam M. Baker氏らの研究チームは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)とアルマ望遠鏡(ALMA)の観測で、初期宇宙の巨大な銀河「リヴァイアサン」の距離を分光観測で確定し、その姿を詳しく調べました。リヴァイアサンは2012年に見つかった「サブミリ波銀河」で、大量の塵に包まれ、サブミリ波(電波に近い波長の光)で明るく輝く銀河です。成果は論文の査読前原稿(プレプリント)として、10月19日にarXivに公開されました。

JWSTの分光装置NIRSpecで、水素と電離した窒素の輝線をとらえた結果、赤方偏移(遠さの指標)は4.0514と確定し、宇宙誕生から約15億年後の姿だと分かりました。31の波長帯の明るさから見積もった星の総質量は太陽の約2190億倍、星が生まれるペースは1年あたり太陽約410個分で、この時代の星形成銀河の中でも重い側に位置するといいます。
注目されるのは大きさです。光の半分が収まる半径は4.3キロパーセク、質量の半分が収まる半径は3.1キロパーセクでした。塵の広がりは約2.2〜2.5キロパーセクとやや小さいものの、ガスがすべて星に変わったとしても、半径は約2.8キロパーセクまでしか縮まらないと見積もられています。一方、約115億〜125億年前に見られる、星づくりを終えた巨大な銀河は、半径が約0.2〜1キロパーセクと非常にコンパクトです。
塵の多い巨大な銀河は、やがてこうしたコンパクトな「星づくりを終えた銀河」に変わると考えられてきました。しかし研究チームは、リヴァイアサンが今のような場所で星をつくり続けるなら、コンパクトな構造にはなりにくく、広がった円盤のような姿のまま星づくりを終える可能性があるとしています。JWSTは初期宇宙の銀河について、光を漏らす銀河EBG-1など、従来の見方を見直すきっかけとなる観測を次々に届けています。
出典: Phys.org「Leviathan's sprawling stars challenge idea that dusty giants become compact galaxies」(2026年11月3日)